1  人事管理について

 

Q
 現代は、バブル経済崩壊後の後始末と、いわゆる情報技術革命が入り混じった社会の大変換期にあると言われています。名だたる大企業が、その生き残りをかけて、5年10年のスパンで千人万人規模のリストラを進め、吸収や合併は日常茶飯事、また、系列、業種、国境を超えて連携し、インターネットを中心としたビジネスに次々参入している現状を見ますと、これは、産業界のみならず、世界はまさにグローバルな新しい秩序を構築する混沌とした過程にあるのだということを実感します。  このような、まだまだ厳しく先行き不透明な社会経済情勢に加え、少子化、高齢化の進行や勤労者意識の多様化、人々のライフスタイルの変化などに、企業を取り巻く環境は大きく変化し、民間企業の人事管理も、従来の終身雇用年功序列から、能力主義、実力主義へと大きく転換してきています。  今回提案された埼玉県の平成12年度予算も、実質3年連続マイナスの大変厳しい緊急財政となっており、今後もこうした財政状況が続くであろうことは衆目の一致するところであります。  しかし、このように、予算も人事も限られている中、県民の期待に応え、地方分権の推進や少子・高齢化への対応など、多くの課題に的確に対応していかなければならないわけでありますから、行政の担い手である職員は彩の国の重要な財産であると考えるところであります。効率的、効果的な行政を進めるためには、職員の能力を適切に評価するとともに、やる気を持って、また、能力をますます発揮できるような人事管理が必要であります。  民間企業の多くが能力主義、実績主義の人事管理へと転換していく中で、今後、県として、県行政を支える職員の人事管理をどのようにしていこうとお考えなのか、知事にお伺いいたします。
A 土屋 義彦知事
地方自治体を取り巻く環境は、今、大きな変革期にあり、地方が自らの責任で自ら決定していく地方主権とも言うべき時代を迎えております。厳しい財政状況の下、住民の視点に立った地方主導による政策を実現し、県民のだれもが豊かさや住みやすさを実感でき得る彩の国づくりを着実に進めていかなければなりません。  私は常々、職員に対しましては、民間は血のにじむような努力をしております、厳しいのは国も他の県も同様である、と督励しているところでもございます。また、県民の皆さん方のために、職員がより一層、熱意と意欲を持って新しい感覚で職務に取り組むことが大事であると考え、厳しい経営環境の中で頑張っております民間企業などでのサービス精神やコスト意識を肌で感じ、学ばせるために、昨年9月から、役付職員を百貨店、ホテルなどの民間企業や福祉の施設などに派遣する、民間企業等体験研修を実施をいたしたところでございます。  このような観点に立って、私は、今後の人事の管理に当たりましては、何としてもこの埼玉を良くしたいという使命感と責任感、そしてまた、前例にとらわれることなく自ら考え、新たな課題に挑戦をする積極性、さらにはまた、実際に結果に結び付ける実行力、そうした職員の力を引き出していきながら、職員のやる気や能力を積極的に評価し、持てる資質や能力を最大限に発揮でき得るよう努めていかなければならないと考えております。  そこで、今年度から、課所長級への登用に当たりましては、業績とともに、新たな課題に挑戦をしているかといった点をより重視をいたしまして、やる気のある優れた人材の登用に努めてきたところでもございます。また、職員が取り組みたい業務を自ら提案させ登用する、職員応募制度を平成9年度に創設をしたところでもございます。  さらにまた、女性職員の意欲を引き出し、男女共同参画社会の実現を図っていくためにも、行政各部門でその能力の活用に努めているところでもございます。  加えて、今年度、管理職を中心に試行として導入いたしました、職員が自己の目標を定めまして新しい課題にチャレンジする「目標による行政運営」を更に多くの職員を対象に実施することとしたところでもございます。  こうした取組を更に推し進め、能力や実績を重視いたしました人事管理を徹底し、やる気のある職員の登用を図ってまいりたいと存じます。  私が知事になりました当時は、職員に対しましても大変歯がゆい面もございましたが、今日におきましては、職員の皆さん方が、私の行動、言動、政策をよく理解していただきまして、県政発展のために大変協力をいただいております。私もこのことに対しまして感謝をいたしておる次第でございます。  最近よく県民の皆さん方から、県庁が大変明るくなったとか、また、書類等を提出してもスピーディーに処理されるようになったとか伺います。そこで、私といたしましても、開かれた県庁の実現のために、私が自ら職員の先頭に立って今後も全力で取り組んでまいります。