9  街づくりについて

 

Q
現行の線引制度と開発許可制度は、昭和43年に制定された都市計画法に基づき、都市の総合的な整備、開発、保全を図ることを目的に制定され、その後30年にわたり運用されてまいりました。特に、急激な都市化が進んだ本県では、これら制度の適切な運用が無秩序な市街化の拡散を防止し、都市の健全な発展に大きく寄与してまいりました。  しかしながら、現行都市計画法の制定後30年経過し、少子・高齢化やモータリゼーションの進展、さらにインターネットに代表される高度情報化の進展など、都市をめぐる社会経済状況は大きく変化いたしております。それぞれの地域では、地域の実情に応じた適正な開発の誘導や良好な地域環境の創造など、新たなまちづくり、地域づくりに向けての都市計画の策定や、開発許可制度の運用が求められ始めております。  私の住んでいる三郷市は、東京に隣接し、現在、常磐新線や三郷インターチェンジ関連などの大規模プロジェクトも進んでおりますが、その周辺部における市街化調整区域においても開発圧力が高い状況となっております。  こうした、地域独自の新たな開発需要が強まる中で、市街化調整区域内の既存宅地以外の土地では、工場やマンションの建築が困難なため、制度の改善を求める声も上がっております。  国においては、現在、こうした観点から、本年2月8日に出された都市計画中央審議会の第2次答申を踏まえ、都市計画法の抜本的な改正を行い、開発許可制度の在り方を検討していると聞いております。特に、既存宅地制度については、新たな制度に生まれ変わる方向で検討されていると伺っております。  そこで、住宅都市部長にお伺いいたします。  現在、国で検討している既存宅地制度の改正はどのような内容となるのか。この改正に対し県はどのように対応されるのか、お伺いいたします。  また、近年、様々な都市計画制度の改正が行われており、昨年度の改正により、地区計画を定めれば市街化調整区域であっても小規模な開発が可能となる制度ができたと伺っております。こうした新しい制度をどのように活用するのか、併せてお伺いいたします。
A 嶋田 和則住宅都市部長
まず、既存宅地制度でございますが、これは、線引き当時既に宅地であった市街化調整区域内の土地における建築を認めるために、昭和49年に制定された制度でございます。施行後約25年が経過した現在、既存宅地についてあらゆる用途の建築物を認めている現行の制度は、市街化調整区域内の土地利用の混乱を引き起こしているとして、全国の都道府県などから大幅な見直しの必要性が提起されていたところでございます。国におきましても、こうした観点から、本年2月に出された都市計画中央審議会の第2次答申を踏まえ、あらゆる用途の建築物を認めてきた現行の制度から、市街化区域に隣接又は近接している区域に限った上で、建築物の用途を制限する許可制度へと、既存宅地制度の改正を検討していると聞いております。  県といたしましては、現行の制度に適正な用途規制や建ぺい率・容積率規制などを加えた許可制度へ移行することは、良好な地域づくりを進める上からも適切な改正方法であると考えております。しかしながら、既存宅地での許可を市街化区域の隣接地や近接地に限定することは、これまでの運用と異なる場合も生じることから、県といたしましては、当分の間、現行の運用区域と異なることのないよう、国に意見書を提出しているところでございます。  今後は、国の法改正の方向を見定めながら、既存宅地制度の的確な運用に努めてまいりたいと存じます。  次に、市街化調整区域における地区計画制度についてでございますが、御質問にもありましたように、この制度は、昨年度の都市計画法の改正により、市街化を抑制するという市街化調整区域の性格を変えることなく、無秩序な開発が行われないよう、適正な土地利用を図る目的で制度化されたものでございます。  その内容は、既存の集落等における生活環境の整備や居住者のための利便性施設の立地、郊外における良好な住宅の供給など、小規模な開発を計画的に誘導するために市町村が定める都市計画でございます。  開発圧力の強い地域におきましては、道路などの公共施設を適切に配置するとともに、小規模開発を計画的に誘導することは、良好な環境を保全しつつ適正な土地利用の実現を図る上で有効な方策の一つであると認識しております。  現在、地域の実情に即した本制度の適正な活用が図れますよう、策定基準を作成する上での留意点や活用事例などを紹介する手引を作成しているところでございます。平成12年度の早い時期に、その手引を市町村に配布いたしまして、普及、啓発を図ってまいりたいと存じます。  今後は、身近なまちづくりの主体である市町村と連携を図りながら、地域特性に適切に対応した地域づくりができるよう努めてまいりたいと存じます。