5 教育問題について

 
(1)偏差値と進路指導について
Q
本県では、10年ほど前に、全国に先駆け、校内での業者テストを廃止し、偏差値を使わない進路指導を実現しました。  それまでは、業者テストの偏差値で進路が決まるというのが実情でしたが、これを追放した結果、子どもたちの能力や適性、趣味や関心など、個性や長所が多面的に評価されるようになり、一定度の成果を見たものと考えます。しかしながら、現在の中学校における進路指導が、果たして保護者や生徒の期待に十分こたえているかというと、私は若干の疑問を持たざるを得ません。  と申しますのは、中学校の子どもを持つ親御さんから、「学校での進路相談では、希望する高校に合格できるか判然としない」「真の選択に対して具体的な方針が余り示されないので、進路先を決めても不安で仕方がない」という声をよく耳にするからであります。  もちろん、テストの成績だけで進路が決定されるべきでないことは当然ですが、生徒の学習理解度をはかるには、何がしかの基準が必要であります。しかも、入試における判断には、1つの学校での中の比較でなく、多くの学校の間での共通の基準が必要となるため、志望校を決定する際には、そうしたテストの成績がおのずと大きな判断材料となってくるのです。  ですから、現在でも、業者テストや進路の手引書には偏差値が掲載されているわけであります。業者テストと偏差値に頼らないというコンセプトは、基本的には正しいと思いますが、中学校での進路指導に戸惑いがあるのも、また事実でしょう。  校内業者テストの廃止以来10年、生徒たちの学習理解度や進路指導の実情の検証と対策がどのように行われてきたのか。そして、今後の中学校の進路指導の方向性について、教育長の見解をお伺いいたします。
A 桐川 卓雄教育長
本県では、平成4年度から、偏差値に依存しない進路指導に取り組み、生徒の能力・適性や進路希望などに基づく、いわゆる「生き方指導としての進路指導」への転換を図るとともに、高等学校の特色づくりにも努めているところでございます。  鈴木議員お尋ねの生徒達の学習理解度や進路指導の実情の検証と対策についてでございますが、県公立高等学校入学者選抜学力検査の詳細な分析結果によりますと、基礎的な計算力や文章表現力は、過去10年ほど特に顕著な変化はございません。  今後とも、日常の学習指導において、基礎・基本の確実な定着を図るとともに、例えば、体験入学や学校調べなどを引き続き実施し、進路指導の充実が図られるよう、努めてまいりたいと存じます。  また、今後の中学校の進路指導につきましては、日常の学習や様々な活動の成果、学校が蓄積した進路データや校内テストなどの一層の活用を図って、生徒の能力・適性の的確な把握に努め、きめ細かな進路指導を進めてまいりたいと存じます。